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シンセサイザー初心者が覚えるべき、音作りのためのエンベロープとフィルターについて

2020/06/16
 
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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。

シンセサイザーは、いろいろな音が出せる楽器ですが、パラメーターがたくさんあって音作りが難しそうだと思っていませんか?

 

僕も初めてシンセを触った時、ツマミやスイッチがやたらついてるけど、一体何に使うのかさっぱり分かりませんでした。

 

プリセット(予め作られた音色)があるから、これを使えばいいんじゃない?

と思っていました。

 

もちろん、始めの頃はプリセットだけでも十分でした。

 

ですが、曲作りに慣れてくると、だんだん音への欲求が出てきたのです。

基本的にプリセットの音色で良いんですが、

もうちょっと音の立ち上がりを速くしたい、

もうちょっと音の余韻が欲しい

もうちょっと抜けが良くて明るい雰囲気にしたい

といった欲求です。

 

今回は、シンセ初心者でも簡単にできる、プリセットをさらに理想の音色にしていくための音作りについて解説します。

 

 

プリセットの音色を加工する

基本的には、シンセにもともと入ってるプリセットの音を使って曲作りをします。

数も、1000とか2000あるので、わざわざイチから音を作る必要はないんです。

ですが、僕の経験のように、プリセットの音色でも良いけど、微妙にイメージと違うということがあなたもあるのではないでしょうか。

 

そこで、オススメなのが、プリセット音色の加工です。

プリセットを加工することで、先ほどお話した、

 

音の立ち上がりを速くしたい

音の余韻を長くしたい

抜けを良くして明るい雰囲気にしたい

 

という理想に近い音色を作るのです。

 

 

今回は、Native Instruments社のKomtakt5に収録されている

「シンセストリングス」の音色を加工してみます。

もちろん、他のシンセでも同じように加工できるので参考にしてみてください。

 

まずは、プリセットを選んだ状態(無加工)の音色を聴いてみましょう。

 

このままの状態だと、音の立ち上がりはゆっくりで、フワッとした雰囲気ですよね。

では、実際にいくつかのパラメータを使って音を加工していきます。

 

 

エンベロープで音の発音タイミングと余韻を変える

 

まず、エンベロープ(ADSR)というシンセの音作りでは重要な発音する音色を時間的にコントロールするパラメータを使います。

A…Attack Time(鍵盤を押してから音が出るまでの時間)

D…Decay Time(音が出てから最大音に達するまでの時間)

S…Sustain(鍵盤を押している間、音が持続する時間)

R…Release Time(鍵盤を離してから音が消えるまでの時間)

 

…なんだか難しそうですが、ここではとりあえず2つだけ覚えればオッケーです。

それが、「Attack Time(アタック)」と「Release Time(リリース)」です。

 

 

アタックとリリース

 

まず、アタックタイムです。

アタックタイムは、鍵盤を押してから音が出るまでの時間のことです。

ストリングスの音色は、鍵盤を押すと、ゆっくりジワーッと音が鳴り始めます。

これはアタックタイムが「遅い」状態です。

では、鍵盤を押した瞬間、パッと音を出したい場合どうしたらいいか?

例えば、8分音符や16分音符などの動きが速いフレーズの場合です。

 

アタックタイムのツマミを左に回します。

音の変化を分かりやすくするため、目一杯左に回します。

すると、鍵盤を押したらすぐに音が出ます。

これが、アタックタイムが「速い」状態です。

加工前と比較して聞いてみてください。

 

 

次はリリースタイムです。

リリースタイムは、鍵盤を離してから音が消えるまでの時間のことです。

極端な例ですが、リリースタイムのツマミを左に目一杯回す(リリースタイムを速くする)と、鍵盤を離した瞬間、音がいきなりプツッと切れます。

 

 

逆に、ツマミを右に目一杯回す(リリースタイムを遅くする)と、鍵盤を離してもいつまで経っても音が鳴り続けます。

 

このように、リリースタイムを調整することで音の余韻をコントロールできます。

サンプル音源のように、現実的にはこのような設定にすることはほとんどありませんが、音の変化を分かりやすくするために極端な例をお伝えしました。

 

 

フィルターで音の雰囲気を変える

エンベロープで音の発音タイミングや余韻を調整したら、次はフィルターを使って音の雰囲気を変えてみましょう。

よく、ライブとかでシンセの音が徐々に変化していく演出がありますが、あれはフィルターを使って変化させているものです。

 

フィルターは、主に「ローパスフィルター」「LP」なんて呼び方をしたりします。

ロー(低域を)パス(通す)フィルターです。

つまり、高域をカットして、低域を強調するというイメージです。

 

逆に、ハイ(高域を)パス(通す)フィルターというのもありますが、シンセのフィルターは大体がローパスフィルターです。

なので、フィルターといったら、ローパスと覚えておきましょう。

 

 

フィルターには2つのツマミがある

 

1つがカットオフ

ここが、帯域をコントロールする部分です。先ほどのローパスフィルターの場合は、ツマミを左に回すほど、音が低域よりに移動します。

 

 

 

もう1つがレゾナンス

このツマミを右に回すと音色が変化していきます。音の抜けが良くなって、明るい雰囲気の音になります。

 

 

まとめ

このように、シンセサイザーの音作りでは、エンベロープとフィルターの調整でプリセットの音色を自分の理想の音に近づけることができます。

 

エンベロープでは、ADSRの4つのパラメータがありますが、まずはAとRの部分、アタックとリリースだけを覚えると良いです。

 

アタックは音の立ち上がりを、リリースは音の余韻をコントロールできます。

この2つだけでも、理想の音に近づけることは十分可能です。

アタックとリリースの調整に慣れたら、D(ディケイ)とS(サスティーン)をいじってみてください。

ただし、まだ慣れないうちは、DとSは無視しても大丈夫です。

はじめから全部をいじろうとすると混乱します。

 

ちなみに、ディケイとサスティーンはセットで調整すると変化が分かりやすいです。

詳しくは、こちらの記事(編集中)を参考にしてみてください。

 

フィルターは、音の雰囲気を大きく変化させるパラメータです。

特に、レゾナンスを調整すると抜けが良く明るい音になります。

 

今回の記事を参考にして、ぜひあなたもシンセサイザーの音作りに挑戦してみてください!

 

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