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ディレイの基礎知識とミックスで使えるおすすめセッティング

2020/06/12
 
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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。

ミックスで使用するエフェクトの1つに「ディレイ」があります。

ディレイとは、原音に対して遅れた音を付加するエフェクトです。

 

わかりやすい例えが「やまびこ」ですね。

「ヤッホー、、ヤッホー、、ヤッホー、、、」と同じ音を繰り返し、だんだん小さくなっていきます。

 

では、DAWでのミックスにおけるディレイの役割とは何でしょうか?

音作りを行う、という目的で使うのは間違いないんですが、僕の使い方は「奥行き」の演出です。

 

しかし、使いどころやパラメーターのセッティングが難しく、僕も慣れるまでに苦労しました。

 

ですが、いくつかのパラメーターをおさえておけば、ちゃんと使いこなすことができます。

 

今回は、ディレイの基礎知識とミックスで使えるオススメのセッティングについて解説します。

 

 

ディレイタイムとフィードバック

まず、ディレイには3つの重要なパラメーターがあります。

1つがディレイタイム、もう1つがフィードバック、そして、フィルターです。

 

 

ディレイタイム

ディレイタイムとは、「原音に対してどれくらい遅れるか」を決定するものです。

大まかに分けると、

ショートディレイ(20〜50msec)

ミディアムディレイ(200〜350msec)

ロングディレイ(400〜500msec)

という感じで、時間で設定していきます。

 

 

フィードバック

もう1つの重要なパラメーターであるフィードバックとは、ディレイ音が繰り返される回数を決定するものです。

これは、プラグインの種類によって1〜10の数字だったり、%表示だったり様々ですが、数字が大きくなるほど繰り返しが多くなります。

 

 

フィルター

フィルターは、ディレイ音の音質を変化させるパラメーターです。

例えば、冒頭で紹介したやまびこは、原音に対して、繰り返す音はだんだん劣化していきます。

ですが、プラグインのディレイはデジタルなので、この劣化がほとんど起きないんです。

つまり、原音とほとんど変わらない音質で音が繰り返されます。

でもこれって現実の世界では不自然なことなんです。

 

想像してほしんですが、「ヤッホー」と叫んで、全く同じ音量、音質で繰り返したら気持ち悪くないですか?

それを自然なやまびこになるように、わざと音を劣化させるのがフィルターの役目になります。

 

 

エフェクトのかけ方。センドとインサート

そして、意外と重要なのが、ディレイのかけ方です。

これはディレイに限ったことではありませんが、エフェクトには2つのかけ方があります。

基本的に、ダイナミクス系(イコライザー、コンプレッサー)、歪み系、アナログシミュレート系はインサート。

空間系(ディレイ、リバーブ)はセンドでかけます。

 

 

インサートは原音を作り替える

インサートとは、DAWの場合、各トラックにエフェクトを直接挿入するかけ方のことです。

例えば、ギター用のコンパクトエフェクターで考えると分かりやすいです。

ギター→エフェクター→アンプというように音の流れが一直線の状態です。

インサートの場合は、原音を作り替えるイメージです。

EQでローカットしたり、ハイを強調したり、コンプで音のダイナミクスを変化させたりという感じです。

 

 

センドは原音に音を加えていく

センドとは、エフェクト専用のチャンネルを作って、そこから各トラックに信号を送る(センドする)かけ方です。

例えば、ボーカルやギター、ピアノといった複数のトラックに同じディレイをかけたい場合、エフェクト自体は1個だけ立ち上げて、あとはそれぞれのトラックに信号を送るのです。

ディレイのかかり具合は各トラックで調整できます。

 

ディレイをセンドでかける場合、1つ気をつけないといけないのが、「MIX」というパラメーターです。

これにはDRY(原音)とWET(エフェクト音)があります。

センドで使う場合は、DRY=0、WET=100にしてください。

DRYの方に振ってしまうと原音がダブっておかしなことになってしまうからです。

 

ただし、ギターなどは、ショートディレイやコーラスで原音を直接加工する場合もあります。

この時は例外としてインサートで使うことになるので、DRY、WETでバランスを調整します。

 

 

奥行きを作るテンポディレイ

ここからは、ミックス時におけるディレイのテクニックをご紹介します。

僕がミックス時にほぼ全トラックにかけるのが「テンポディレイ」です。

テンポディレイとは、曲のテンポに合わせてエフェクトが繰り返されるディレイのことです。

設定としては、付点8分音符や8分音符の間隔で繰り返すことが多いです。

 

そして、DAWの場合は、簡単に曲のテンポと同期できます。

ディレイのパラメーターに「BPM」というのがあれば、そこがテンポを決める場所です。

さらに「Auto」というボタンを押すと一発で曲のテンポと同期します。

 

テンポディレイを使うと、簡単に曲の奥行きを演出できるのです。

 

僕が普段使うテンポディレイのセッティングがこちらです。

僕はWAVESの「SuperTap」というプラグインを使っていますが、DAW付属のプラグインでも大丈夫です。

 

セッティングのポイントは2つです。

・左右でディレイタイムを変える

・フィードバックは「0」に近づける

以上の2つです。

 

そして、ドラムとベース以外はほぼ全部かけます。

ドラムとベースは曲の土台になる部分なので、ここにディレイをかけるとちょっとブレた感じになってしまうからです。

 

ディレイのかけ方はセンドで、送る量は楽器ごとに調整します。

ほぼ全トラックにかけるので、薄くかけるのがポイントです。

 

これで、曲全体が馴染んで、奥行きが出てきます。

 

 

まとめ

ここまで、ディレイの基礎知識とミックスにおけるセッティングと使い方について解説してきました。

ディレイを使う上で重要なパラメーターは次の3つです。

1. ディレイタイム

2. フィードバック

3. フィルター

また、エフェクトのかけ方にはインサートとセンドがあり、ダイナミクス系はインサート、空間系はセンドを使います。

 

そして、ミックス時のディレイの使い方としては、テンポディレイを使った奥行きの演出がオススメです。

ご紹介したディレイのセッティングを使えば、簡単に曲の奥行きを作ることができます。

 

ぜひあなたの作品でも試してみてください。

 

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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

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