音質をコントロールするイコライザー(EQ)の基礎知識。
こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。
DAWでの曲作りの工程の中に、ミックスという作業があります。
ミックスとは、レコーディング後のそれぞれのトラックの音量や音質の調整を行い、曲として聴きやすい状態にする作業のことです。
そして、ミックス作業の中心になるツールがイコライザー(EQ)です。
今回は、イコライザーについて解説をしていきます。
イコライザー(EQ)とは?
まず、ミックスでのイコライザーの使い方の前に、そもそもイコライザーとはどういうモノなのか?
曲は、低域、中域、高域という周波数帯域で出来ています。
低域(32Hz〜250Hz)…ベース、バスドラム
中域(250Hz〜2kHz)…ボーカル、ギター
高域(2kHz〜16kHz)…ハイハット、シンバル
大まかですが、だいたいこのような感じで分かれています。
それぞれの帯域を調整するツールがイコライザーです。
例えば、曲全体で低音を強調したい場合は低域を上げます。
バスドラがドンドンドンと鳴り、少しこもった感じのサウンドになります。
逆に、高音を強調したい場合は高域を上げます。
シャリシャリとしたクリアな音質になります。
低域、高域どちらも強調すると、いわゆるドンシャリというやつで
低音もしっかり鳴りつつ、輪郭がはっきりしたクリアなサウンドになります。
この時、中域も少し上げるとボーカルも前に出てきます。
このように、各周波数帯域を調整することで、音質を変化させることができます。
身近なところだと、カーステレオやスマホアプリの音楽プレーヤーにもイコライザーは付いていますが、今ご紹介したのはそれと全く同じです。
ここまでがイコライザーの基本的な概念です。
DAWでの曲作りやミックス時のEQの使い方
では、曲作りやミックス時はどのようにEQを使っていくのか?
先ほどは、曲全体の低域、高域の調整の話でした。
これが、ミックス時は各楽器やパート単位での調整になっていきます。
(最終的には曲全体での調整もあるんですが、それはマスタリングというまた別の作業になります。)
基本的なEQの使い方は、気になる周波数をカットしていきます。
ブーストした方が音の変化が分かりやすいんですが、カット方向が基本と覚えてください。
なぜかというと、ミックス時のEQは不要な帯域をカットして、全体的にフラットな状態を作ることが目的だからです。もちろん、楽器によっては音作りで多少はブーストすることもあります。
ですが、必要以上に低音や高音が強調されていると、この後のマスタリングでうまく音圧が上がらなかったりするのです。
不要な帯域はどこにある?
各楽器やパートごとにEQの設定をするのですが、
まず全パートでやっておきたいのがローカットです。
だいたい50Hz以下の超低域で、人間の耳には聞こえない部分です。
この部分をカットすることで、全体的にすっきりしたサウンドになります。
楽器ごとの「EQのポイント」というのは一応ありますが、どの楽器でも不要な帯域でいうと200〜300Hzあたりをカットするといいと思います。
それから、少しブーストすると気持ちいい帯域があります。
低域(80〜150Hz)ベースやバスドラ。
高域(2〜5kHz)ボーカルやシンセ。
やり過ぎはいけませんが、この付近を上げるとメリハリが出ます。
まとめ
このように、イコライザーとは曲の各周波数帯域を調整して音質を変えることができるツールです。
カーステレオやスマホアプリの音楽プレーヤーにも付いています。
DAWでの曲作りの場合、ミックス時の各楽器の不要な帯域をカットして音を整えていく重要なツールです。
今回は基本的な概念と役割、ちょっとしたコツを解説しました。
EQの使い方を覚えるには、実際に触りながら音の変化を体感することが不可欠です。
まずは、音楽プレーヤーのイコライザーからでも音の変化を試してみてください。