【ソフト音源レビュー】ハードシンセの代わりになるか?「Synth Anthology 2」を導入してみた
こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。
テクノポップを作る上で、「どんなソフト音源を使うか?」というのは重要なことです。
これは、作曲の知識やスキル、打ち込みのテクニックと同じくらい大事なことです。
なぜなら、あなたがどんなに上手い打ち込みで曲を作っても、使うソフト音源がショボかったり曲にマッチしなければ全てが台無しになってしまうからです。
しかし、どんなソフト音源を選べばいいかはとても悩むところですよね。
僕は、昔からハードシンセで曲を作っていたんですが、ソフト音源にシフトする際はどの音源がいいのか随分悩みました。
ですが、色々な音源を試してきて、今では自分が作りたいテクノポップのイメージにぴったりの音源を見つけることができました。
今回は、僕がオススメするUVI「Synth Anthology 2」というソフト音源をご紹介します。
Synth Anthology 2とは
Synth Anthology 2(シンセアンソロジー2)は、フランスのUVIというソフトウェアメーカーから提供されているソフト音源です。
以前、UVIの「Plug Sound Pro」というマルチ音源を手に入れたのがきっかけで、この製品の存在を知りました。
どんなソフト音源かを簡単にまとめると、
- 77モデルのハードウェアシンセを網羅。
- 2500を超える音色。
- 実機の質感と、ソフトウェアの利便性を融合。
アナログ、デジタル、ビンテージなどのハードウェアシンセサイザーを1つにまとめたソフト音源になります。
基本的には、プリセットを選んだらすぐに出来上がった音が出ます。
なので、難しいシンセの知識がなくても簡単に使えます。
音色に関しては、80年代〜90年代のハードシンセの音を再現してるんですが、音質や質感は古臭い感じはあまりなく、少し調整されている印象です。
最近のソフト音源と一緒に使っても良い感じに馴染んでくれます。
あと、Synth Anthology 2は、どのシンセも操作画面が共通です。
普通は、ハードシンセってそれぞれ操作方法が違うので、1つ1つ使い方を覚えないといけません。
ですが、この音源は1つ操作を覚えれば全部のシンセの操作を覚えたも同然というわけです。
これはすごく使い勝手が良いです。
ハードシンセからソフトシンセへ
僕は昔から、ヤマハ「MOTIF」というワークステーションタイプのハードシンセをメインの音源として使っていました。
ワークステーションタイプのシンセとは、音源や打ち込みの機能などが搭載されていて、それ1台で曲作りが完結できるシンセのことです。
MOTIFは、シンセ系の音や生音系まで、あらゆる音色を網羅していて、マルチ音源としてもとても使いやすいシンセで気に入っていました。
今でも、デモやスケッチ程度の制作ならMOTIFを使います。
なぜ、ソフト音源にシフトしようと思ったかというと、それは、、、
「圧倒的な音質の差」でした。
ハードとソフトでは音源の容量やクオリティが全然違ったのです。
ミックスやマスタリングでその差を埋めることはできると思いますが、素の出音を比べると明らかにソフト音源の方が上だと感じました。
今では、DTMにおいてソフト音源を使って曲を作るのは当たり前のことなので、こんな事で驚く人はあまりいないと思いますが。
しかし、昔からハードシンセに慣れ親しんだ僕にとってはかなりの衝撃だったのです。
10年近くDTMをやっていますが、今までハードシンセにこだわっていたのは何だったんだろう?と思うばかりです。
ハードシンセが悪い訳ではありませんが、まぁ、時代の流れですね。
Synth Anthology 2を選んだ理由
僕が作る曲はテクノアレンジが中心です。
そうなると、必然的にシンセ系の音色がたくさん欲しくなります。
しかし、シンセ系の音源ならどれでもいいという訳ではありません。
気になる音源はいろいろ視聴しましたが、中には「これじゃないな」と思う音源もたくさんありました。
僕の中では、MOTIFに代わるマルチ音源の様なソフトシンセを探していました。
僕がテクノアレンジのメインで使っているは「MASSIVE」や「SYNTH MASTER ONE」という音源です。
この2つは、けっこう音色のタイプが偏っています。
なので、全体的にそれを補えるようなシンセ音源が欲しかったのです。
そんな時見つけたのが、Synth Anthology 2だったのです。
MOTIFに近い音も入っているし、しかも音のクオリティも高い、プリセットの数も相当あります。
さらに、僕が作る曲のアレンジは、90年代J-POP寄りなのでまさにピッタリの音源でした。
楽曲の中での使いどころ
では、実際どんなふうにSynth Anthology 2を使っているかというと、楽曲の中で基礎になる部分で使うことが多いです。
例えば、
- ベース
- パッド
- ピアノ
- バックで鳴っているベルやストリングス、ブラス
などです。
テクノポップを作る時、MASSIVEやSYNTH MASTER ONEって絶対必要な音源なんですが、今あげたベーシックな音が意外と使いづらかったりします。
こういう音って、あまり個性的過ぎると曲に馴染まないので、普通でちょっと地味な感じの方が合わせやすいものです。
そういう意味でSynth Anthology 2は、これらの基礎的な部分を作るのに最適な音源なんです。
僕の使い方としては、ベースやパッドなどの曲の土台になる部分はSynth Anthology 2、曲を装飾する部分はMASSIVEやSYNTH MASTER ONE、という感じで使っています。
Synth Anthology 2を使って、TWO-MIX「Believe」を作ってみました
上記のような使い方で、僕がリスペクトするアーティスト、TWO-MIXの「Believe」という曲を作ってみました。
ぜひ聴いてみてください。
ただし、まだレコーディングもミックスもしていない、打ち込み後の音源です。
「Believe」は、TWO-MIXの3枚目のシングル「T・R・Y -Return to Yourself-」のカップリング曲です。
この曲は、僕が学生時代から大好きで、よく聴いていた曲でした。
キャッチーなメロディ、ドラマティックな展開、前向きな歌詞など、僕が曲を作る上でいろいろと参考にさせてもらった曲の1つでもあります。
Synth Anthology 2を使うと、だいたいこんな雰囲気になるというのが伝われば幸いです。
まとめ
ここまで、UVIのソフト音源「Synth Anthology 2」をご紹介してきました。
オススメのポイントをまとめると、
- 77モデルのハードシンセ、2500以上の音色が手に入る
- プリセットを選ぶだけですぐに使える
- 難しいシンセの知識は不要
- 使いどころは、ベースやパッド、ピアノやベルなどベーシックな音に最適
となります。
僕はSynth Anthology 2を手に入れたことで、長年のハードシンセの環境からシフトすることができました。
最高のサウンドを手に入れたのはもちろんですが、デスク周りもスッキリして一石二鳥でした。
もしあなたが、テクノポップを作っているなら、ぜひこの音源を試してみてください。