MacBook1台でシンセポップを作るDTMer Yuukiのブログ

ボーカルのピッチ補正は「した方がいい」ものではなく「しないといけない」もの

2020/06/12
 
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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。

現在、世の中に出回っている楽曲のほとんどが、ボーカルに「ピッチ補正」が加えられています。

ピッチ補正とは、歌の音程を正しく修正する技術のことです。

プロはもちろん、アマチュアのDTM作品においても、ピッチ補正は曲のクオリティを高める重要な工程になります。

 

今回は、DTMにおけるピッチ補正の考え方について解説します。

 

 

なぜピッチ補正が必要なのか?

現代の音楽制作は、DAW(パソコンの音楽制作ソフト)を使うことが一般的です。

そして、ジャンルを問わず、曲を作るためにソフト音源が使用されます。

これにより、ポップスやロック、クラシックに至るまで様々なジャンルの曲を作ることができます。

 

本来、シンセサイザーなどの電子楽器を除いて、生演奏には「音程の揺らぎ」があります。

しかし、ソフト音源で演奏する音には、ピッチ(音程)の揺らぎがありません。

どんなときでもピッチのズレが起きない演奏ができるのです。

 

ですが、歌に関しては、機械で再現するわけではありません。(ボーカロイドという機械が歌うものもありますが)

人間が歌う生歌には、多かれ少なかれピッチのズレが生じます。

ソフト音源で作った完璧にピッチがそろったオケと、人間が歌う生歌。

これを重ねたとき、歌のピッチがズレていると、不快に感じてしまうというわけです。

 

そこで必要なるのが、ピッチ補正です。

この生歌の音程の揺らぎをピッチ補正ソフトを使って調整していきます。

こうすることで、完璧にピッチがそろったオケと生歌とのギャップを少なくすることができるのです。

 

 

ピッチ補正はどんな歌でも修正できる

ピッチ補正ソフトを使えば、外れた音程を簡単に直すことができます。

音が多少外れていたとしても、ピッチ補正で直してしまえば、そこそこ聴ける状態にはなるのです。

CDで聴くと上手く聴こえるのに、ライブでは、音程が良くないアーティストもたまに見かけます。

これがピッチ補正で音程を修正しているということです。

 

ただ、勘違いしてはいけないのが、どんな下手な歌でもピッチ補正さえ掛ければ良いというわけではありません。

 

僕も以前は、歌の音程は後で修正をかければいいからと思い、ろくに練習もせずにレコーディングをしていました。

当然、そんな気持ちでは歌は上手くならないし、何より、ライブで歌った時に自分の実力が露呈します。

まさに僕も、以前はCDでは上手く聴こえるけど、ライブではガッカリというアーティストでした。

ある時、それに気づいたおかげで、今ではちゃんと練習をするようになりました。

 

たしかに、どんなにガタガタの音程でもピッチ補正で直すことはできます。

ですが、最初からピッチ補正で直すのを前提に歌うのは良くありません。

やはり、歌を録るときは、最高のテイクを目指して練習や努力をするべきなのです。

 

 

ピッチ補正は正しく活用しよう

では、ピッチ補正はどのように使えばいいでしょうか?

 

ここでは、僕が普段曲作りで行うピッチ補正の使い方を2つ紹介します。

1つは、歌の練習用として使う方法。

もう1つは、最終的なボーカルトラックの仕上げとして使う方法です。

 

例えば、カラオケとかで好きな曲を歌う場合は、すでにそのアーティストが歌ったCDや音源があります。

それを手本にして曲を覚えたり歌ったりすると思います。

しかし、あなたが作るオリジナル曲には、「手本」がありませんよね。

その手本を作るためにピッチ補正を使うのです。

僕の場合、できたばかりのオリジナル曲というのは、はっきり言ってまともに歌えたものではありません。

これから練習を始める段階なので、メロディは分かっていても、音程がうまく取れないのです。

そこで、音程はガタガタでもいいのでとりあえず歌を録音します。

その録音したものにピッチ補正をかけてお手本にするのです。

これを聴きながら練習することで、だんだん音程が取れるようになっていきます。

 

そして、歌の精度が上がってきたところで、本番のレコーディングを行います。

この段階では、曲や歌がかなり自分のものになっています。

しかし、どんなに素晴らしいテイクが録れたとしても、必ずここにピッチ補正をかけます。

絶対に完璧というテイクはやはり難しいものです。

歌い方や表現は良くても、微妙にピッチがズレていることもあります。

最終的なトリートメントという意味でピッチ補正を使って整えていきます。

 

例えるなら、女性が化粧をして出かけたり、男性ならヒゲを剃って髪型を整えたりして出かけるのと同じような感覚です。

 

こう考えると、ピッチ補正は「使った方がいい」というものではなく、曲のクオリティを高めるためには「使わなければいけないもの」と言えますね。

 

 

まとめ

ここまで解説したように、ピッチ補正はボーカルトラックのクオリティを高めるための重要な工程です。

ピッチ補正を使うことで、打ち込みのオケと生歌とのギャップを少なくすることができます。

さらに、オリジナル曲の歌を練習するときに活用すれば、音程など歌の精度を高めるのにも役立ちます。

 

ピッチ補正は「使った方がいいもの」ではなく、積極的に使うべきものです。

ただし、勘違いしてはいけないのは、ろくに練習もせずに歌った適当な歌を修正するために使うべきではないということです。

 

ボーカルトラックの仕上げにピッチ補正をかけることで、あなたの曲のクオリティをさらに高めることができるでしょう。

 

ぜひ活用してみてください。

 

「ピッチ補正やってみようかな、、」という方は、おすすめのピッチ補正ソフトをまとめてみたので、下記のリンクからどうぞ。

 

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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

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