【DTM マスタリング】J-POPは歌が主役。ボーカルを強調したマスタリング方法
こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。
あなたはDTMで曲作りをする時、どんなことを重視していますか?
・誰でも口ずさめるようなキャッチーなメロディでしょうか?
・心にしみる歌詞でしょうか?
・歌や演奏の上手さでしょうか?
もちろん、どれも重要なことだと思います。
これらを重視した上で、DTMでの曲作りでは、最終的に作品の聴きやすさにもこだわって欲しいと僕は思っています。
レコーディング後の楽曲を聴きやすいバランスに調整する作業をミックスと言います。
今回は、そのミックス後の音源をさらにブラッシュアップさせる
マスタリング方法について解説していきます。
マスタリングとは?
通常、マスタリングとはCDなどに収録された複数の曲の音量や質感、
曲と曲との間などを揃える作業のことです。
ですが、最近ではiTunes等、1曲単位のダウンロード販売も増えてきて、
マスタリング方法も変化してきています。
ミックス後の音源の音圧アップだったり、一部の帯域を強調させるサウンドメイクだったり、
こういったこともマスタリングと呼んでいます。
今回は後者のマスタリングについて進めていきます。
J-POPにおける聴きやすいマスタリングとは?
マスタリングもミックスと同じで、正解がありません。
どんなアプローチをしてもそれが結果的に良ければ、それでOKです。
では、どんなサウンドに仕上がれば良いでしょうか。
それは、その曲の主役は何かを考えれば自然と答えは出てきます。
もちろん、J-POPや歌モノに関してはボーカルが主役です。
僕が考える良いマスタリングとは、適度な音圧がありつつ、ボーカルを強調したマスタリングです。
それでは、今回はマスタリング用プラグイン「Ozone」を使ったマスタリング方法を紹介します。
Ozoneを使ったYuuki流マスタリング5ステップ
はじめに、Ozoneには楽曲のイメージに合わせて選べる様々なプリセットが用意されています。
自分で1から各プロセッサーを調整するのもいいですが、
まずは自分の曲のイメージに近いプリセットを選び、
そこから各プロセッサーを調整していきましょう。
1.出力フェーダー
ミックスが終わった段階では音圧が低いケースがあります。
まずはOzoneの出力フェーダーで3dBアップ。
2.プリEQ
プリEQで、ミッドの1kHzあたりを5dBカット。
後段のマキシマイザーに歌が引っ掛からないようにします。
3.マキシマイザー
マキシマイザーで音圧アップ。スレッショルド-3dB/リリース4msに設定。
4.ポストEQ
ポストEQでは、1kHzあたりにプリEQと真逆のEQを設定。これで歌のアタックが戻ります。
さらに、ポストEQのサイドを全体的に-1dBにして、より中央のボーカルが際立つようにします。
これでボーカルを強調したマスタリングになります。
5.コンプレッサー
コンプはサウンドのキャラクターを決める”味付け”になります。
ステレオイメージやエキサイターも音をくっきりさせるのに有効です。
この辺りは、プリセットのまま使用しても問題ないでしょう。
今回のマスタリング手法で仕上げた音源を用意したので、ぜひ確認してみてください。
曲は僕のオリジナル曲です。
マスタリング前
マスタリング後
どうですか?
十分な音圧を稼ぎつつ、ボーカルがくっきりとして聴きやすい印象になっているはずです。
まとめ
ミックス後の音源をブラッシュアップさせるマスタリングには様々な手法があります。
今回は、J-POPで重要なボーカルを聴きやすくするマスタリング手法について解説しました。
イコライザーの「Mid」と「Side」の調整の仕方がポイントになります。
まずは、プリセットをうまく利用しながら、僕のやり方を参考にして、ぜひあなたの作品でも挑戦してみてください。
「音圧アップ&バンド感を強調したマスタリング方法」という記事では、ボーカル主張とは逆に、全体のサウンドを主張したマスタリング手法を解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。