ボーカルを聴きやすくするコンプレッサーを使ったミックスのコツ
こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。
初心者のDTM作品で多いのがミックスのバランスが良くないということです。
こんな作品をよく耳にします。
- 曲は良いのにミックスがうまくできていなくて聴きづらい
- 歌はうまいのにオケとのバランスが悪くて歌がよく聴こえない
このように、ミックスがうまくできていないことで、その曲の魅力を伝えきれていないということはよくあります。
特に歌モノの場合は、やはりボーカルをしっかり聴かせるための処理が欠かせません。
ボーカルが聴こえづらい曲だとどんなに良い曲だったとしても魅力は半減します。
ボーカルがちゃんと聴こえることで、その曲のメロディや歌詞の世界観を伝えることができるのです。
では、どうすればボーカルが聴こえやすいミックスができるのか?
そのカギを握るのが「コンプレッサー」というエフェクターです。
今回はコンプレッサーを使ったボーカルのミックスのコツについて解説します。
聴き取りやすいボーカルとはどんなものか?
曲の世界観や伝えたいことというのは、サウンドはもちろんですが、やはり歌詞にあります。
それを伝えるのがボーカルです。
聴き取りやすいボーカルとは、歌詞がちゃんと聴き取れる状態であることを意味します。
当たり前ですが、、、
逆に歌詞をよく聴き取れないボーカルはその曲で何を伝えたいかがよく分からなくなってしまいます。
ありがちな例としては、
- ボーカルの音量自体が小さくてオケに負けている
- 部分的に音量のバラツキがあって聴き取りにくい
というものです。
これは、レコーディングの仕方や歌い方なども影響しますが、ある程度はミックスで改善することができます。
これらを解消できればボーカルが聴こえやすくなるということです。
コンプレッサーを使う
聴き取りやすいボーカルとは、歌詞がちゃんと聴こえる状態のことだとお話ししました。
この状態を作るには、音量のバラツキを少なくするということが重要になってきます。
録音した歌というのは、DAW上ではこのように波形として表示されます。
波形には、波が大きい部分や小さい部分があります。
波が大きいと音が大きい
波が小さいと音が小さい
ということです。
この波形のバラツキが大きいと音量のバラツキも大きくなるというわけです。
特にボーカルは、この音量差が激しいパートになります。
ここで登場するのが「コンプレッサー」です。
コンプレッサーとは、圧縮機のことです。
これを使うことで、音が飛び出て大きい部分を上からグーっと押さえつけて、音が小さい部分との音量差を少なくすることができます。
ボーカルトラックにコンプレッサーをかけることで、音量感が均等になりオケとなじみやすくなるのです。
コンプレッサーの基本的な使い方については「コンプレッサーの基礎知識とDTMでのベーシックな使い方」という記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでおいてください。
コンプはメロごとに使い分ける
ボーカルトラックは通常、始めから終わりまで一本でつながっています。
そこにコンプをかけるんですが、この時ちょっとした技があるのでご紹介します。
それは、「メロディごとにコンプを使い分ける」ということです。
どういうことかと言うと、
実はボーカルトラック全体に同じ設定のコンプをかけると、場所によってはコンプがうまくかからない部分が出てくるのです。
例えば、Aメロは静かで音域も低くあまり声を張らないけど、サビでは高い音域で声を張るという場合です。
こういう曲だとAメロとサビで音量差がとても大きくなります。
この時、サビに合わせてコンプをかけると、Aメロではほとんどコンプがかからないという現象が起きてしまうんですね。
逆に、Aメロに合わせてコンプをかけると、サビではコンプがかかりすぎてしまうので、音が潰れてしまってバランスが崩れてしまうのです。
これを解消するのが、「Aメロ専用のコンプ」「サビ専用のコンプ」というように設定を変えてコンプをかけるというテクニックです。
こうすることで、メロディごとに音のダイナミクス(強弱)をコントロールできます。
結果として、ボーカル全体の音の粒がきれいにそろうので、言葉が聴き取りやすいボーカルトラックに仕上がるのです。
まとめ
ここまで解説したように、曲のミックスではボーカルトラックの処理の仕方が重要です。
今回はコンプレッサーを使ったミックスのコツをご紹介しました。
ボーカルの聴きやすさはコンプの使い方次第でコントロールすることができます。
コンプをかけることで音の強弱の差が少なくなりボーカルの安定感が格段に良くなります。
そして、メロディごとに最適なコンプを設定することで、さらにクオリティが高いボーカルトラックを作ることができます。
あなたの曲のミックスでもぜひ試してみてください。