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【音源あり】コード進行をコントロールしてBメロを作る方法

2020/06/12
 
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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。

一般的に曲の構成というのは、Aメロ、Bメロ、サビの3つのメロディで成り立っています。

その中で、作曲をしていて意外と展開に悩むのが「Bメロ」ではないでしょうか?

 

あなたもBメロを作る時、こんな経験はありませんか?

・AメロからスムーズにBメロにつながらない。

・Bメロからサビへのつながりが不自然。

・Bメロが目立ちすぎてその後のサビの印象が薄くなってしまう。

 

僕も作曲を始めたばかりの頃は、AメロからBメロのつなぎ、Bメロからサビのつなぎで悩むことがありました。

Bメロに力を入れすぎて、サビが盛り上がらないということもしょっちゅうでした。

これらは、Bメロを作るための「ある重要なポイント」が抜け落ちているのが原因なのです。

 

今ではメロディのつなぎ方や展開をコントロールして、Bメロを作れるようになりました。

 

今回は、違和感なく展開して期待感を高めるBメロの作り方について解説します。

 

 

そもそもBメロの役割とは?

なぜBメロが必要なのか?

Bメロは、物語の起承転結で言えば、「承」の部分です。

 

例えば、恋愛のストーリーなら、

起…主人公に気になる人ができる。

承…相手との距離が縮まる出来事が起きて、徐々に好きになる。

転…勇気を出して告白する。

結…恋人同士になる。

という感じです。

 

仮に「承」の部分が無かったら、

主人公に気になる人ができて、

即告白して、

相手は主人公のことをあまり知らないからフラれて終わり。

という、最悪の失恋ストーリーになるかもしれません。

 

このように考えると、「承」の部分は、相手のことが気になり始めてから様々な出来事を2人で重ねて想いが高まっていく重要な部分です。ここで告白が成功するかが決まります。

 

これを曲に当てはめると、

起(Aメロ)

承(Bメロ)

転(サビ)

結(エンディング)

となります。

 

つまり、サビに上手く繋げるためにBメロは重要な区間だと言えます。

 

 

違和感なく展開するBメロを作るには

Bメロの役割と重要性が分かったところで、次は違和感なく展開するBメロとはどういうものか考えていきましょう。

まず、Bメロを作る際のポイントは2つあります。

・Aメロとは少し雰囲気を変える。

・サビを際立たせるため、あまり目立ちすぎないようにする。

この2つを意識して下さい。

 

その上で、実は、Bメロには典型的な「型」があります。

この型を使うことで、Aメロからのつなぎ、サビへの入りが自然になります。

 

その型とは、「コード進行」のことです。

 

パターンとしては、次のコード進行です。

F G Em Am

F C F G

不思議なことに、このコード進行はメジャー系(明るい曲)、マイナー系(暗い曲)どんな曲でも使えます。

 

それに気づいたのは、自分の曲がある程度たまってきて、コード進行をなんとなく分析した時でした。

「あれ、このコード進行やけに多く使ってるな、、、」と。

もちろん、曲によっては多少アレンジされている部分もあるので全く同じではありません。

でも、だいたいこのパターンで出来ています。

もしあなたが作曲初心者なら、とりあえずこのコード進行をパクってBメロを作ってみて下さい。それっぽくなるはずです。

 

このコード進行と似たパターン使った曲があるので参考までに聴いてみてください。

楽曲は、ガンダムSEEDのオープニング曲、玉置成実「Realize」という曲です。

このバージョンは、僕が打ち込みで作ったカバーです。

曲の流れが分かるようにワンコーラスの長さになります。

57秒からがBメロです。

AメロからBメロのつなぎも自然で、サビ向かっていく期待感も感じられますよね。

 

 

ではなぜ、このコード進行がBメロに多く使われているのか。

 

それは、それぞれのコードが持っている性質を理解すると答えが見えてきます。

 

 

それぞれのコードの役割

僕は、作曲を始めたばかりの頃、コードの性質とかを知らずに感覚でコードを並べてBメロのコード進行を考えていました。

しかし、ここで紹介するコードの役割と性質を理解すれば、もっと簡単にBメロを作れるようになります。

 

コードの種類は大きく分けて3つです。

トニック (C)安定感があるコード。曲の始まりや終わりに使うことが多い。トニック、サブドミナント、ドミナントどのコードにも進める。

 

サブドミナント(F) トニックより少し不安定なコード。曲の装飾に使うことが多い。トニックやドミナントに進むことができる。

 

ドミナント (G)不安定なコード。不安定なので安定を求めてトニックに進もうとする性質がある。

 

先ほど紹介したBメロのコード進行は、トニック、サブドミナント、ドミナントの関係性をもとに作られています。

しかし、聴いていて気持ちがいい響きというのは、もともと感覚的に人は持っているんじゃないかなと思います。

そこに理論があればより導きやすいということです。

 

 

消去法でいくとBメロの頭は「F」になる

トニック、サブドミナント、ドミナントの関係性が分かれば、各メロディの頭のコードはだいたい決まっていきます。

 

まず、トニックは曲の始まりや終わりに使うことが多いコードでした。

つまり、Aメロやサビに使うのに向いています。

 

ドミナントは不安定なコードでした。

したがって、曲の始まりに使うコードには向いていません。

僕は今までに100曲くらい曲を作っていますが、ドミナントから始まる曲を作ったことがありません。

それくらい、ドミナントから始まる曲はありえないということです。

 

となると、Bメロの頭に持ってくるコードは、サブドミナントの「F」ということになります。

トニックでもいいんですが、Aメロの始まりや終わりがトニックなら、Bメロは少し変化を加えてサブドミナントに進むのが自然です。

 

 

頭のコードが決まれば、あとはそれぞれのコードの性質を確認しながら進んでいきます。

サブドミナントは、トニックかドミナントに進むことができます。

つまり、CかGですよね。

紹介したコード進行ではドミナント(G)に進みました。

ここの選択基準はメロディがどういう流れかで決まります。もちろん、トニック(C)に進むパターンも考えられます。

 

 

代理コードとは?

F→Gと進み、次は「Em」が出てきましたね。

これは、ドミナント(G)の代理コードになります。

トニック、サブドミナント、ドミナントは、構成音が似ているコードを代わりに使うことができるのです。

それが代理コードです。

 

今回使用しているコード(Key=C)の場合だと、

F(ファ・ラ・ド)の代理コードはDm(レ・ファ・ラ)

G(ソ・シ・レ)の代理コードはEm(ミ・ソ・シ)

C(ド・ミ・ソ)の代理コードはAm(ラ・ド・ミ)、Em(ミ・ソ・シ)

となります。

比べると、構成音が1音しか変わらないのが分かります。

ちなみにEmは、トニック、ドミナント両方の構成音を持っているので、どちらの代理コードでも使用できます。

 

代理コードは構成音が1つしか変わらないので、曲の雰囲気によって使い分けることもできます。

今回のように、G→Emとつなげるのも自然な流れを作れます。

 

そして、ドミナントはトニックに向かう性質があるので、次のコードは必然的にCまたはAmになるのです。

 

 

セカンダリードミナントで期待感を演出する

トニック、サブドミナント、ドミナントの3つのコードの特性は理解できたでしょうか?

これをもとに導き出したコード進行が

F G Em Am です。

 

次にぜひ習得していただきたいのが、セカンダリードミナントです。

例えば、先ほどのコード進行の「Em」を「E」に変えてみます。

F G E Am

Eのコードがセカンダリードミナントです。

これは、トニックの代理コードのAmから完全4度下のコードにあたります。

 

このセカンダリードミナントが入ることで、グッと心を掴まれる感じがしませんか?

雰囲気を一瞬変えることができるので、次に展開されるサビへの期待感を高めることできるのです。

 

他にも、セカンダリードミナントとして使えるコードには、

Dmの完全4度下のA

Emの完全4度下のB

Gの完全4度下のD

があります。

 

そして、セカンダリードミナントを使ったBメロのコード進行の発展系がこちらです。

|F    |G    |C  G  |D

|F    |Am    |Dm    |E

DとEがセカンダリードミナントですね。この部分だけ少し雰囲気が変わるのが分かると思います。

基本は「型」を使いながら、後半で代理コードに置き換えています。

 

実はこれ、僕のオリジナル曲のBメロで使用しているコード進行です。

AメロからBメロへの展開の仕方、セカンダリードミナントを使った期待感を高めながらのサビへの展開など、参考になる楽曲です。ぜひ聴いてみてください。

32秒からBメロです。

 

 

音域とリズム

次は、Bメロを作る際のポイントでもお話しした、

Aメロとは雰囲気を少し変えるという点についても解説しておきます。

 

これは、音域とリズムがカギになります。

音域は、Aメロより高く、サビより低いを意識するとメリハリが出て曲の展開が分かりやすくなります。

 

リズムは、ドラムやベースのパターンを変化させます。

例えば、ドラムはスネアの音を抜いてみたり、ベースは譜割りを大きくしてみたりするとリズムの変化をつけることができます。

先ほどの、カバー曲「Realize」はまさにその手法を使っているので参考になると思います。

 

 

まとめ

ここまで、Bメロを作る際のポイントをご紹介しました。

今回のポイントは以下の4つです。

・Bメロの役割と重要性を理解する。

・Bメロによく使われるコード進行の型を使うと展開を作りやすい。

・コードの性質を理解することで、コード進行の型をさらに発展させた期待感を高めるBメロができる。

・音域は、Aメロより高く、サビより低いを意識する。また、リズム隊のドラムやベースもパターンを変えると各メロディのメリハリをつけやすい。

 

あなたもぜひこれらを実践をしながらBメロを作ってみてください。

 

 

こちらの記事も読んでおいて下さい!

「サビと同じくらい重要?Aメロの作り方5つのポイント」

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シンガーソングライター/DTM専門家。 90年代J-POPのようなキャッチーなメロディ作りとテクノアレンジが得意。 影響を受けたアーティストはTWO-MIX。

Comment

  1. 名無し より:

    とてもわかりやすい解説ありがとうございます!
    これってキーが変わった場合はどうすればいいんでしょうか?例えばこのキーがAだった場合どのように考えればいいですか?

    • Yuuki より:

      コメントありがとうございます!
      キーがAの場合は、Cから数えて3度下のキーになります。
      なので、サブドミナントのFは、キーがAの場合は、Dになります。
      他のコードも3度下の音を当てはめて考えてみてください。

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