曲のミックスがうまくいかない!失敗例から学ぶミックスのコツやテクニックを解説【音圧も上がる】
こんにちは、シンガーソングライターのYuukiです。
ミックスがうまくいかない、音圧が上がらない、と悩むDTMerは多いです。
ミックスとは、完成した曲を最終的に聴きやすいバランスに整えていく作業をのことです。
普段、僕たちが聴いているCDやダウンロードした音源には、例外なくミックスが行われています。
何の違和感もなく心地良いサウンドで音楽を聴くためにはミックスが重要です。
とはいっても、ミックスはバランスを整えるのが難しく、DTM経験者でも苦手な方も多いのではないでしょうか。
僕はこれまで自分のオリジナル曲やカバー曲を含め50曲以上ミックスをしてきましたが、同時に多くの失敗も経験してきました。
今回は、その経験をご紹介しながら、ミックスがうまくいくコツや、音圧を上げるテクニックなどを解説します。
【失敗例1】 歌のミックスバランスが悪い
バランスが悪いミックスとはどういうものかというと、ボーカルがオケに埋もれてしまってよく聞き取れないというものです。
歌ものの楽曲の場合、一番聴いてもらうべきところは、やはり「歌」です。
歌ものにおいて、肝心の歌が聴き取りにくいというのは、ミックスとしてはバランスが悪いと言えます。
ミックスがうまくいっていない楽曲は、たいていオケに対してボーカルが埋もれてしまっています。
僕が以前、バラードの楽曲を作った時の話です。
バラードの場合でも、ボーカルがしっかり前に出ていなければいけません。
歌詞がしっかり聴き取れるのが理想です。
僕がその時作ったミックスでは、ボーカルよりも全体のオケが前面に出ていて、歌が引っ込んだ感じになっていました。
しかし、僕はその仕上がりを聴いても、歌が引っ込んでいるとは思っていなかったのです。
というのも当時、ミックスをしていた時に参考にしていたCDがボーカルが引っ込み気味の音源だったのです。
その音源を参考にミックスしたのでオケに対してボーカルが小さく仕上がってしまいました。
その音源のミックスがダメだったという訳ではありません。
ただ、バラードのミックスには合わなかったということです。
バラードにはバラードのリファレンス曲を参考にするべきです。
そして、歌もののミックス(特にJ-POP)では、ボーカルがしっかり聴こえるバランスが正解です。
ボーカルミックスを成功させるコツ
ボーカルミックスの手順としては3つあります。
- ボーカルの音量を決める
- EQとコンプで音を整える
- ディレイとリバーブで残響を作る
この順番でミックスしていくのがコツです。
まずボーカルの音量を決めます。
オケに対して少し大きいかな?と思うくらいでちょうどいいです。
次にEQとコンプで音を整えます。
こちらに関しては、参考記事がありますのでぜひ読んでみてください。
最後にディレイとリバーブで残響を与えていきます。
【失敗例2】 楽器隊(ドラムや上モノ)が歌より大きい
これは、上記のボーカルが埋もれるということに関連しているかもしれませんが、ドラムや上モノがボーカルに対して大きすぎるのもバランスが悪いミックスと言えます。
上モノというのは、ギターやピアノ、シンセパッドなどのコード系の楽器のことです。
繰り返しになりますが、歌ものの楽曲は歌が主役です。
上モノやドラムがボーカルより前に出てきてはいけません。
ボーカルの後ろで伴奏を支えるのが、これらの役目です。
しかし、ミックスをするのが楽器のプレイヤーだったりすると、どうしても自分のパートを目立たせたいと思うものです。
ギタリストなら、ギターが目立つように。
ベーシストなら、ベースが目立つように。
キーボーディストなら、キーボードやシンセが目立つように。
ですが、楽曲のミックスで最も重視するべきなのは、トータルバランスです。
それなのに、ギターだけがやたら前に出て目立つ状態はバランスが良いミックスとはいえません。
ボーカル以外のパートが耳に付くな、と感じた場合は、そのパートが前に出過ぎているサインです。
ただし、例外もあります。
歌がない部分のイントロや間奏などは、楽器が主役になります。
ギターやキーボードのソロ、シンセのリフなどがあれば、それらを目立たせる必要があります。
ドラムや上モノのミックステクニック
ドラムに関しても、まずは音量を決めます。
ドラムには、キック、スネア、ハイハット、シンバルといったパーツがあります。
この中でキックが1番大きくなるように音量を調整し、その次がスネア、ハイハットはさりげなく鳴ってるくらいの音量感にします。
僕はドラムはコンプが大事だと思っていて、キット全体を通して潰したサウンドを作ります。
上モノに関しては、音量はボーカルの後ろで鳴ってるいるような音量感にします。
ドラム同様、全体的にコンプで潰したサウンドを作ります。
EQは、上モノとボーカルで中高域が被る傾向があるので、上モノの中域を少しカットしておきます。
こうすることで、ボーカルが前に出てくるようになります。
これで、オケ全体がボーカルの後ろで演奏しているようなサウンドになるはずです。
【失敗例3】 マキシマイザーを使っても音圧がうまく上がらない
ミックスがある程度完成してくると、簡易マスタリングとして、マスタートラックにマキシマイザーを挿入します。
マキシマイザーとは、簡単にいうと音を大きくするエフェクターのことです。
これで全体的な音圧アップを図ります。
CDなどで聴く最近の曲は、昔の曲と比べて音圧が高い(音が大きい)です。
20年くらい前のCDと今のCDを比べると明らかに音量が違います。
音が大きければいいというわけではありませんが、やはりある程度の音圧は稼いでおきたいところです。
マキシマイザーを使うことで、音量をグッと底上げしてくれるのです。
しかし、マキシマイザーを使っても思ったほど音圧が上がらないということもあります。
僕が以前、ミックスを終えてマスタリング作業をしていた時のことです。
この時、マキシマイザーで音圧を上げようとしても、欲しい音量まで上げようとすると、音が割れてしまって思うように音圧が上がらないことがありました。
プロの曲と比べると音圧が全然足りない、でもこれ以上は音が割れてしまう、、、
どうすれば音圧が上がるんだろう、、、
この音圧が上がらないという問題は、実はミックスに原因があります。
正しくミックスされていない音源は、音圧が上がらないのです。
ミックスは、1つ1つの音を整えていく作業です。
それぞれの楽器やパートで音が飛び出ていたりする部分を、コンプを使ってなるべく平らな状態にしていきます。
しかし、その飛び出た部分をしっかり処理していないとマスタリングで音圧を上げるとき、その飛び出た部分が先にピークに達してしまいます。
結果、音圧がうまく上がらない、音圧を上げようとすると音が割れてしまう、というわけです。
だから、ドラムや上モノはコンプで潰したサウンドを作るんですね。
もちろんこれはボーカルにも言えることです。
マキシマイザーをかける前にアナライザーで視覚的にチェックする
ミックスではEQやコンプで音を整えていきますが、音を視覚的にチェックすることも重要です。
これには、アナライザーというプラグインが便利です。
アナライザーを使えば、楽曲全体の周波数帯域を確認できます。
つまり楽曲全体の低域、中域、高域を視覚的に見ることができるのです。
例えば、聴いた感じでは良いけど、アナライザーで見ると低音が出過ぎているということもあります。
基本は音を聴きながらEQやコンプを調整していきますが、これに視覚情報が加われば、より精度が高いミックスダウンができるというわけです。
アナライザーを見るときは、低域、中域、高域が均等に振れているかを確認します。
極端に飛び出している帯域があれば、その部分を狙って、EQやコンプで調整していきます。
うまく調整ができたら、そこで初めてマキシマイザーをかけます。
そうすれば、自然と無理なく音圧が上がるはずです。
当時、音圧が上がらなかった僕の音源も、やはり音がしっかり処理できていませんでした。
逆にしっかり処理してあげれば、音圧は上がります。
音圧がうまく上がらないときや、音割れが発生するときは、そのミックスは見直す必要があるというサインです。
まとめ
ここまで、僕の経験をもとにミックス時の失敗例やミックスがうまくいくためのコツやテクニックをご紹介してきました。
心地いい音で音楽を聴いてもらうために、ミックスは重要な作業です。
ミックスがうまくできていないと、曲を聴いていて不快に感じることもあります。
あなたの曲は、今回ご紹介した失敗例に当てはまっていませんか?
もしミックスがうまくいかないと感じているなら、一度チェックしてみましょう。